
2人に1人が奨学金。その落とし穴と教育ローン(1)
その落とし穴と、それを補う教育ローンを比較検討
大学生の生活費は厳しいものになってきています。
日本学生支援機構が隔年に実施している「学生生活調査」平成22年度によりますと、
大学学部(昼間部)学生の生活費は年間183万5000円でした。
この数字は5期連続(10年間)で少しずつ減少しつづけています。
結果の概要は以下の項目に分かれて
日本学生支援機構のHPに載っています。
学生生活費(学費と生活費の合計)
設置者別の学生生活費
居住形態別の学生生活費
学生の収入状況
家庭の年間平均収入額
アルバイト従事状況
奨学金の受給状況
通学時間(片道)
週間平均生活時間
//www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_chosa/10.html
//www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_chosa/documents/houkoku10_mokuji.pdf
//www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_chosa/documents/houkoku10_outline.pdf
詳しくは上記HPをご覧いただくとしまして、
目立ったところをかいつまんでご紹介しておきます。
●過去10年間で学生の生活費は約30%減少しましたが、
学費は約4.3%増えています。
●学生の収入状況(大学学部・昼間部)は199万円。
そのうち仕送りなど家庭からの給付は61.7%です。
前回の調査(平成20年度)から4.21%の減少です。
アルバイトでの収入比率は0.9%減少の15.4%でした。(前回は16.3%)
●特筆すべきは奨学金の比率上昇です。
学生の収入(大学学部・昼間部)のうち
奨学金の占める比率は20.3%。
前回は15.3%でしたから、5.0ポイントも上回ったことになります。
●奨学金の受給状況(大学学部・昼間部)は50.7%。
平成20年度の調査では43.3%でしたから、7.4ポイント増加。
2人に1人は奨学金を受給しているということになります。
ここで奨学金の受給に関していくつかの注意点を挟んでおきます。
●奨学金では入学前に必要な費用が間に合いません。
奨学金の支給開始時期は大学や専門学校へ進学してからです。
一般的には入学金や前期納入金は入学前に収めるのが通常です。
●入学時特別増額貸与奨学金も同様。
入学時特別増額貸与奨学金も支給開始は4月以降ですから、
入学時までには間に合いません。
●入学時に必要な費用は教育ローンで。
国の教育ローン(日本政策金融公庫)を申し込んでおきましょう。
金利を考慮すれば、まずは国の教育ローンということになります。
国の教育ローンの審査に通らなくても
そのほかJA、ろうきん、銀行、信用金庫、信販などたくさんの教育ローンがあります。
教育ローンの審査は申し込んでから結果が出るまでには
通常1週間から2週間程度かかります。
申し込みが急増する受験期などは日にちが増すこともありましょうし
書類の不備があればさらに時間がかかることになります。
入学時に必要な費用を教育ローンを利用するのでしたら
早めの審査申し込みが肝心です。
●審査期間の短い教育ローンもある
国の教育ローンの審査期間は通常は10日間程度かかることを
承知しておかなければなりません。
融資が実行され口座に振り込まれるまでには、更に1週間ほどの時間がかかるとされています。
(※↑の記載は日本政策金融公庫のHPによるものです。わたくしの経験ではそれほどの時間は要しませんでしたが。)
ただ
民間の教育ローンにはきわめて短い審査期間のものもあります。
金利面では少し高くなりますが
信販会社のものでは即日に審査結果が出るものさえあります。
銀行の教育ローンにも2日間で審査結果を知らせてくれるものもあります。
審査期間が短い教育ローンにつきましてはこちらをご覧ください。
↓
『まったなしの入学金と授業料』
ttp://webzy.sakura.ne.jp/loan/cat0004/1000000077.html
(↑urlにhを加えてください)
ろうきん(労働金庫)には比較的低金利の教育ローンがあります。
ろうきんは 全国13のブロックがあって条件は多少異なることもあります。
ろうきんの教育ローンは国の教育ローンに次いで
ご検討なさるべきものだと存じます。
今回ご紹介しますのは、一般的なろうきん教育ローンではなく
奨学金が入学時には間に合わない対策として、
ろうきんの奨学生向けの入学金ローン の方です。
ろうきんには「入学時必要資金融資」という制度があります。
いわば奨学金を担保とした融資制度で、
奨学生本人を借主とした短期間の手形貸付です。
利用できるのは
日本学生支援機構の「入学時特別増額貸与奨学金」の候補者です。
融資金額は
増額奨学金の範囲(10万円単位で最高50万円)となっています。
そのほか審査要件など詳しくは↓のPDFをご覧になってください。
全国大学生活協同組合連合会では学生生活実態調査を行っています。
//www.univcoop.or.jp/press/life/report.html#01
第48回学生生活実態調査 概要報告(調査実施時期 2012年10〜11月)では、
学生の経済状況は
『厳しい経済状況が固定化し、奨学金も減少。収入増はアルバイトに頼る』
としていますが
『しかし暮らし向きは「楽」が大幅増加、今後の見通しも好転』と結んでいます。
つまりこれは学生自身が、
消費 支出を抑えてつましく生活していることのあらわれでありましょう。
奨学金の落とし穴 続く